2017年11月、改定された新しい技能実習生制度が施行されました。色々と課題の多かった旧技能実習制度から運用面等を厳格化、そして何といっても介護職を追加したことが大きな改定内容となりました。福祉業界の方々にとっては待ちに待った新制度スタートではないかと思います。

とはいえ、ただでさえ技能実習生全体の受入れのルールが厳しくなった上に、介護実習生は日本語の習得にも大きなハードルが課せられています。日本語検定N4、またはそれに準ずる資格を取得する必要があり、これまでのように日本語は来てからの研修で何とかなる、というわけにはいかなくなりました。N4というと留学生や海外の大学の日本語専攻の方からするとどうってことないレベルかもしれませんが、もしこれを一から学ぼうと思ったら約半年間みっちり学習する必要があります。

ここでこの制度の良い点、課題を述べてみたいと思います。

まず良い点ですが、来日前の約6か月間、日本語を学習するのですが、その間に介護の基礎知識や日本文化等を学ぶことも可脳になります。また、当然のことながら日本に来た時にすでに日常会話程度の日本語力が備わっている想定ですので、「何とかコミュニケーションがとれる」状態で来日することになるでしょう。その間にその実習生がどんな方なのかを現地教育機関の方が把握し、その情報をシェアすることも可能です。

一方課題ですが、期間が最高で5年に延びたとはいえその機会の為に、約6か月という教育を受けなければならず、フィリピン等の世界各国に人材を送り出している国の方々にとっては、日本を選択してくれるのか、優秀な方は手を挙げてくれるのか、ということがあります。また、これまでの実習生よりも来日前に長期間語学や日本のことを学ぶことができますが、それでもこの医療とも少し重なる福祉分野、介護の職場で難しい用語、複雑な業務、そして人間関係を上手くこなしていけるのかは未知数ですね。

課題もありますが、介護実習生の受入れは、この超高齢化が進む日本や日本人にとっても新たなチャレンジ。5年後、10年後にはこの制度がしっかり定着し、実習生の方々も利用する高齢者の方々も、受け入れ施設も皆がハッピーになるよう、知恵を絞っていきたいですね。私共APECも介護の技能実習生受入れに取り組んでいきますのでどうぞよろしくお願いします。